やぐブロ

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プログラミングが必要な研究との上手い付き合い方

「もし先生や先輩やネットの中のギークのようにプログラムが自在に書ければ,今取り組んでいる研究も上手くいくに違いない」と思ってはいないだろうか?それは正しいようでいて,間違っている.プログラミングができるようになれば研究が上手くいくようになるんじゃない.逆なんだ.研究がうまくいくようになれば,おのずとプログラミングができるようになるんだ.

例えば,勉強ができるようになればテストで必ず良い点が取れるかというと,そうとは限らない.ただ,テストで常に良い点が取れるようになれば,それは勉強ができるようになったといえるんじゃないか?テストなんてものはある側面でしか知識や技量を測ることが出来ないけど,継続して点数を取れる状態が続けば,勉強ができるというポテンシャルは自然と付いてくる.プログラミングと研究の関係も同じだ.一見順序が逆のように見えるが,理想で塗り固められた曖昧なものを追いかけても,結果は容易には付いてこない.

だから,プログラミングや勉強なんてものは一度忘れよう.それらは目的を達成するための,または他人から評価を得るための唯の道具でしかない.それらを磨く前に,とにかくまず使ってみることだ.使い物にならなかったら取り替えればいいし,使い心地が悪かったら後で直せば良い.意外と良い感じに使えるかもしれない.

今はとにかく研究に集中しよう.目の前にある研究だけを考えて精一杯こなせば.意識していなくても能力や技量は後から付いてくる。

ただ,始めは不安になるかもしれない.あれも勉強したいこれも習得したいという欲求が常に付きまとうだろう.ネットには技術情報が溢れ,巷では勉強会が開かれ,改めて世の中の広さや他人との知識/技術ギャップに気付かされる状況では,どうしても華やかなものに目移りしたり分野を超えて活動できる万能研究者にならなきゃいけないと思い込んでしまいがちだ.最新技術に置いてけぼりにされたらどうしようとか,個性を出して独自なものを作らないと評価されないんじゃないかといった焦りが頭をよぎることもあるだろう.

しかし,そんなものは全て研究の成功の前には些細なことだ.一生懸命何かをこなした後には,必ずその行為に対する何らかの評価や実績が得られる.それとともに,本来やりたかったこと,すなわち理想としていた自分の姿にいつの間にか近づいているはずだ.そうやった方が,基礎を固めようと寄り道したり,あれこれ手を出したり,最初からオールラウンダーやジェネラリストを目指すより,より目標に近づくことができる.

だからとにかく今の研究を全力でこなそう。


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自戒を込めてlocalに書き貯めていたものを改めて纏め直してみた.
まったくもって偉そうなことを書いているが,真に受けないで欲しい.程々に嗜むくらいが丁度良いと思う.
この文章は情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方の「今の職務を全力で」"Be Where You're At"に強く影響されている.

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

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